求人状況を表すデータとしてよく活用されているのが、有効求人倍率である。この値は、求職者一人に対して何件の求人があるかを示すものだ。有効求人倍率は1倍が基準とされており、それ以下であれば企業側が選べる立場にある。1以上であれば求職者側が選べる立場にあると言える。ここしばらくは有効求人倍率が1倍を超えていて、求職者に有利な売り手市場の状態が続いている。この状態は転職がしやすい状態だと言える。しかし、この状態も業種によって異なるため、どの業種であっても転職先を見つけやすいとは限らないのだ。そこで、業種別の有効求人倍率を調べてみることによって、転職しやすい業種が把握できるようになる。
業種別の有効求人倍率の算出元により結果は異なるが、同じような傾向はうかがえる。上位には、IT関連の業種が目立つ傾向にある。その中でもインターネット関連の業種は、有効求人倍率が特に高めである。ネットショップをはじめ、いろいろなサービスがインターネットを利用して提供されていることからも、この状況はうなずけるだろう。この他にも有効求人倍率が伸びている傾向にある業種は、組込・制御ソフトウェア関連も該当する。家電製品をはじめ、あらゆるものがインターネット接続できるようになり、新たな付加価値が生み出されている。IoTと呼ばれる分野で今後も成長が見込まれ、求人も比例して伸びると予想される。また、コンサルティングの業種も有効求人倍率は高めである。しかし、豊富な知識や経験を必要とする職種と言えるので、採用ハードルが高く設定されていることが多く、転職しやすいとは言えないので注意が必要だ。
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